印刷現場で飛び交う「色の名前」って何?金赤・青金など独特な色指定の由来と意味を解説!

印刷会社とのやり取りのなかで「金赤(きんあか)」や「青金(あおきん)」といった聞き慣れない色の名前を耳にしたことはありませんか?

これらは、印刷業界で日常的に使われている色名のひとつであり一般的な色の呼び方とは異なり、独特な意味や使い方があります。

そこでこちらの記事では、印刷現場で実際に飛び交う代表的な色の名前とその由来、意味、そして紙袋などのデザインに活かすためのポイントを初心者にもわかりやすく解説します。

「金赤」や「青金」ってどんな色?印刷業界特有の色名の世界

印刷業界では、「金赤」「青金」など、一般的には馴染みのない色名が使われています。
これらは、色見本やPANTONE番号のように厳密に管理された色ではなく、現場での経験則や感覚に基づく通称としての色呼称です。

独特な色指定は、印刷物の仕上がりに直接影響します。
適切に理解して使いこなすことが、思い描いた通りのデザインを実現する鍵となります。

印刷業界で使われる独特な色名とは?

金赤(きんあか)

金赤とは、朱色系の赤に金属的なニュアンスを持たせたような色で、「紅」「朱」「金」などが混ざったような艶やかで力強い赤色です。
祝い事や店舗装飾、演出用のアイテムなど、華やかさを演出したい印刷物に多用されます。

青金(あおきん)

青金は、深みのある青系に金属調の濃淡や艶が感じられる色。
落ち着いた印象や信頼感、高級感を与えたい場面に使われ、名刺やロゴ、表紙デザインなどで人気があります。

その他の代表的な色名

読み方 特徴
朱赤 しゅあか やや黄味がかった赤で、温かみや親しみやすさを表現
藍色 あいいろ 日本の伝統色である深い青。和風・伝統・落ち着きの印象
鼠色 ねずみいろ グレー系で、シックさや控えめな高級感を出すときに使われる
空色 そらいろ 明るい水色で、爽やかさや清潔感を演出。女性・子供向けブランドにも多い
若草色 わかくさいろ 明るい水色で、爽やかさや清潔感を演出。女性・子供向けブランドにも多い
緑青 ろくしょう くすんだ青緑。渋さや和の伝統的な雰囲気を表現したいときに適している
柿色 かきいろ 深みのある橙系。秋の販促物や温もりあるデザインに向いている
小豆色 あずきいろ 赤紫系の落ち着いたトーン。高級感のある和風デザインなどに
生成り きなり 未漂白のナチュラルな白。クラフト素材との相性が抜群で自然派ブランドにおすすめ
空色 そらいろ 明るい水色で、爽やかさや清潔感を演出。女性・子供向けブランドにも多い
空色 そらいろ 明るい水色で、爽やかさや清潔感を演出。女性・子供向けブランドにも多い

これらの名称は、JIS規格やDICカラーのように厳密な定義があるわけではありませんが、印刷現場では通じる色として活用されています。

これらの名称は、JIS規格やDICカラーのように厳密な定義があるわけではありませんが、印刷現場では通じる色として活用されています。

なぜ独特な色名が使われるのか?

印刷業界では、CMYKや特色インクだけでは伝わらない色のニュアンスを共有するために、昔ながらの色名が今も多く使われています。

「金赤でいきましょう」といえば、職人やデザイナー、印刷オペレーターの間でほぼ共通の色イメージを共有できるのが大きな利点です。

これらの色指定は、時には口頭で、時には「これと同じ感じで」とカラーチップを見せながら使われることもあります。

紙袋の種類と色指定の関係

色指定といっても、すべてが同じように再現できるわけではありません。紙袋の「素材」によって、インクの発色は大きく異なります。

主な紙袋素材と色再現の関係

クラフト紙 ナチュラルで温かみがあるが、インクが沈みやすく発色が鈍くなる傾向。やや濃いめに色指定するのがポイント
コート紙(アート紙) 表面がツルツルしていてインク乗りがよく、色が鮮やかに出る。明るい色でも再現性が高い
和紙系 繊維質が強く、インクのにじみや曖昧さが出やすい反面、独特の風合いが活かせる。淡い色調との相性が良い

同じ「金赤」でも、素材によって「鮮やかに出す」ためのインク量や色指定が変わってくるため、印刷会社との事前相談が不可欠です。

色指定の際の注意点

デジタルデータで見た色と、実際の印刷物の色が違うというのは、印刷でよくある問題です。これを防ぐには、以下のような工夫が有効です。

色の伝達で失敗しないために

色見本帳を活用する

PANTONEやDICカラーの現物を見ながら、番号指定でやりとりするとズレを防げます。

試し刷り(校正刷り)を依頼する

実際に使う紙・インクでサンプルを作って仕上がりを確認。

カラーチップを渡す

「この色に近い」と物理的な見本を渡すのも有効。

「金赤っぽいけど、もう少しオレンジ寄り」など言葉でも補足

曖昧でも、微調整のヒントになります。

特に企業のCIカラー(ブランドカラー)や、シリーズ商品で統一感を持たせたい場合などは、絶対に妥協できない工程となります。

まとめ

印刷業界で飛び交う独特な色名は、決して古い呼び方ではありません。
むしろ、現場で確実に色を伝えるための実用的な知恵です。

紙袋やパッケージなどのデザインで理想の色を実現するには、色名の意味を正しく理解することが重要です。
紙の素材に合った色指定を行い、印刷会社と密にコミュニケーションを取りながら、色に対するイメージのズレを防ぎましょう。

こうした基礎知識を持っておくだけで、印刷物のクオリティは確実に上がります。
理想の色を正確に伝える力は、あなたのブランドを守る大きな武器になります。

I Love Paper Bagは、さまざまなデザインのオリジナル紙袋の制作に対応しているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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