環境に優しい包装資材の選び方|SDGs対応の素材と事例紹介

プラスチックごみ問題や地球温暖化が深刻化する今、環境に配慮した包装資材の導入は、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。

しかし、具体的にどんなことをしたらいいのかわからないという方が多いのも事実。

そこでこちらの記事では、SDGsとの関係から始まり、素材の種類、導入前の注意点、実際の企業事例まで、分かりやすく解説しますので最後まで読んでいってくださいね。
「エコ=高い」という先入観を捨て、地球にも企業にもやさしいパッケージ選びのヒントになれば幸いです。

脱プラ・エコ商品が今注目されている|SDGsとは?

2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに世界中の社会・経済・環境問題を解決するための17の目標です。
その中でも「つくる責任 つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」といった項目が、包装資材の見直しと強く関係しています。

とくに近年では、脱プラスチック・再生素材・生分解性プラスチックなどのエコパッケージの導入が注目の的となっており、大手企業から中小企業、個人ブランドまで広がりを見せています。

環境にやさしい梱包資材を選ぶ理由

持続可能な社会の実現に向け、企業の環境配慮が求められる中、梱包資材の選定は単なるコストや機能性だけでなく、環境への影響も重要な判断基準となっています。

地球温暖化への対策

使い捨てプラスチックや従来の石油系資材は、製造から廃棄に至るまでの過程で多くの温室効果ガスを排出します。
特に焼却処分の際に発生するCO₂は、気候変動の主因の一つ。
今後さらに深刻化が予測される地球温暖化への対抗手段として、カーボンフットプリントの少ないエコ素材への転換が急務となっています。

廃棄物処理の限界

日本ではプラスチックごみのリサイクル率は公称5割前後とされますが、実際には熱回収(焼却処分による発電利用)を含むため、再資源化されているのは2〜3割程度。
多くのプラスチックが焼却または埋め立てされており、これが土壌・海洋汚染や大気汚染の原因にもなっています。
今後は焼却炉や最終処分場の容量不足も懸念されており、早急な対応が求められます。

天然資源の枯渇

多くの石油系梱包資材は、限りある化石燃料を原料としています。
石油や天然ガスといった資源は、採掘量の増加や地政学的リスクによって価格が不安定になる傾向もあり、長期的な供給の不安定さが課題です。
持続可能なバイオマス資材や再生素材への切り替えは、資源の有効活用だけでなく、企業のリスク分散にもつながります。

企業にも明確なメリットがある

環境対応は、単なるCSR(企業の社会的責任)にとどまらず、経営的メリットも数多く存在します。

・イメージアップ・ブランド価値の向上
 環境に配慮した取り組みは、企業の信頼性・好感度を高め、他社との差別化にもつながります。

・消費者の共感と信頼の獲得
特に若年層やエシカル消費を意識する層には、「サステナブルな企業」という姿勢が購買動機となります。

・社内の意識改革と文化醸成
従業員の環境意識を高め、持続可能性を重視する企業文化の形成にも寄与します。

・長期的なコスト削減
ごみ処理費用や環境関連の税負担の軽減、さらには補助金・優遇税制の活用など、経済的メリットも期待できます。

このように、エコ資材の導入は「コスト」ではなく、社会的信頼と経営的持続可能性を高める投資であり、今後ますます重要性を増していくテーマです。

環境に配慮した素材の種類

【紙系エコ素材】

・再生紙(リサイクルペーパー):
回収紙を再利用。低コストで導入しやすい

・クラフト紙:
強度があり汎用性が高い。宅配包材や紙袋に◎

・更紙(ざら紙)・ボーガスペーパー:
新聞用紙のような再利用紙。緩衝材や緩い包装向き

・バガス紙:
サトウキビの搾りかす由来。非木材系で非常にサステナブル

・竹紙:
成長の早い竹を利用。森林伐採リスクを軽減

・FSC認証紙:
森林管理の国際基準に則った紙素材。信頼性の高い素材の証明書

・巻きダンボール/エンボス紙(ぼこぼこペーパー):
緩衝材代替

・紙製クッション封筒:
プラ製エアパッキンの代替に最適

※当ブログを運営するI Love Paper Bagでは、クラフト紙の紙コップやバガス紙リッドなど様々なエコ素材をご希望に応じて生産しております。また、紙袋に関しましては未晒しクラフト紙の輪転機紙袋を使用、本体ハンドルとも紙の素材にリサイクルで古紙として出せるのなどを使用しております。

【植物由来の生分解性素材】

・PLA(ポリ乳酸):
トウモロコシなどから作られた生分解性プラ

・バイオマスプラスチック:
部分的に植物由来原料を使ったプラスチック

・コーンスターチ製緩衝材:
水で溶ける・土に還る。小型梱包に最適

「生分解性」と「バイオマス」は異なる概念(分解性能 vs 原料由来)。非木材系素材(バガス・竹)は、より持続可能性の高い選択肢。

※当ブログを運営するI Love Paper Bagでは、バイオマス系の紙やPET素材など、ご希望に合わせて生産を行っております。

【再生プラスチック系素材】

・再生PET・HDPE・LDPE:
回収プラスチックを再利用。特定業種では根強い人気。安価かつ耐久性もあるが、リサイクル率・混入率などは製品ごとに要確認

エコ資材を導入する前にチェックすべき3つのポイント

環境に配慮した梱包やパッケージを検討する企業が増えるなか、エコ資材(環境配慮型梱包資材)の導入はブランド価値向上だけでなく、法規制・消費者ニーズへの対応としても重要な選択肢となっています。

ただし、導入前にはしっかりと事前検討が必要です。
以下の3点をチェックすることで、失敗のない導入が可能になります。

1. 素材の特性と自社製品との相性を確認する

エコ素材には、再生紙・バガス紙・竹素材・生分解性プラスチック(PLAなど)・FSC認証クラフト紙など多様な種類があり、それぞれに耐久性・防水性・通気性などの特性があります。

たとえば……

・重たい商品には強度の高い未晒しクラフト紙や厚紙段ボール
・水気のある商品には防水加工されたエコ素材や耐水性の紙コップ
・常温保存が前提の食品には、通気性やガスバリア性も要確認

エコ資材を単に「環境にやさしいから」で選ぶのではなく、商品特性と資材の機能性がマッチしているかどうかを評価することが不可欠です。
梱包資材の選定ミスは、商品破損やブランドイメージの低下にもつながりますので、I Love Paper Bagなど専門の業者への問い合わせなども積極的に行い目的に合わせた素材を選定するようにしましょう。

2. コストとロット数のバランスをシミュレーションする

多くのエコ資材は、通常のプラスチックや汎用品に比べて単価が高い傾向があります。
さらに、印刷や加工を含む場合は「小ロット対応不可」や「割高になる」ことも。

I Love Paper Bagでは、エコ素材の既製品に名入れの生産フローを行うことで小ロット対応も可能となっています。

導入のハードルを下げるためには……

・高単価商品やギフトセットなど、一部商品から段階的に導入
・パッケージ全体を変えず、一部だけ(ラベル・中敷きなど)変更
・まとめ買いによるロット調整や在庫管理コストの見直し

など、予算と導入目的に応じた戦略的な導入計画が必要です。
エコ資材の見積もりは早めに取り、総コストを含めた導入効果を可視化しましょう。

3. 認証ラベルや環境エビデンスを確認しておく

近年は、「環境にやさしい」とうたう製品に対しての透明性が重視されており、エビデンスの提示が求められる場面が増えています。
とくに、営業活動や自治体・企業との取引においては、信頼性の裏付けが不可欠です。

その際にチェックすべきポイントは以下の通り。

・FSC®認証、PEFC認証など、持続可能な森林資源を示す第三者認証の有無
・グリーン購入法対応商品かどうか(公共機関との取引で重要)
・原材料のトレーサビリティやライフサイクルアセスメント(LCA)の提供可否
・成分表示やCO₂排出量の表示の有無

エコ資材の導入は、単に「環境配慮してます」というアピールだけでなく、具体的な素材選定・コスト設計・認証取得による裏付けが必要であるため、導入前に必ず確認しておくべき重要事項です。

この3つの視点を意識して導入計画を立てることで、環境負荷を減らしつつ、顧客からの信頼も獲得できる持続可能な企業運営が実現します。

環境に配慮しつつコストも抑える資材選定術

「エコ=高い」という先入観を持っている方も少なくないと思います。
しかし選び方次第で、コストとサステナビリティを両立することも可能です。

コスパの良いエコ資材の例

・再生クラフト紙や更紙(安価・軽量・強度あり)
・段ボールの巻き素材(緩衝材代わりに)
・セミオーダー対応の紙袋(完全オリジナルより安価)

まとめて発注で単価を下げる

同デザインの複数サイズ対応や、年単位でのまとめ発注なども検討価値あり。
その場合、コストを抑えつつデザインも妥協しない業者選びがポイントになってきます。

例えば、I Love Paper Bagの場合、FSC®認証のパッケージデザインにつきましては大量ロットでのみ対応しております。

長期的な視点で考える

廃棄コストの低減、PR効果、税制優遇(自治体の環境配慮助成など)まで視野に入れることで、結果的に費用対効果は高くなります。

エコ資材の導入事例

IKEA

スウェーデン発の大手家具ブランドであるIKEAは、2028年までに消費者向け梱包でのプラスチック使用ゼロを目指すと宣言。

・すでに段ボール・再生素材へと大幅にシフト
・2023年度、GHG排出量を2016年比で22%削減(CO2換算)

ミズノ

日本のスポーツブランド「ミズノ」は、2030年までに包装資材の環境負荷大幅削減を目標としています。

・2021年よりシューズボックスを100%リサイクル紙に順次切替
・年間CO2排出量を約160トン削減見込み

まとめ

環境配慮型の包装資材は、単なる「流行」ではなく、企業としての持続可能性と信頼性を高める必須アクションとなりつつあります。

今こそ、環境にも企業にもやさしい選択肢を選ぶタイミングです。
未来の顧客に選ばれるブランドをつくるためにも、まずは包装資材の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。

シェアする?
アイコン:X アイコン:Facebook

Related Articles関連記事

タグ別の記事

過去の記事

2025年
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031