ブランドカラーの統一性に悩んでいませんか?
「印刷したら色が違う」「ロゴの再現性が低い」──そんな課題を解決するのがパントンカラーです。
印刷物の色ブレを防ぎ、イメージ通りの仕上がりを叶えるために、世界中のプロが活用しているこの色指定方法。
この記事では、パントンカラーの基本からCMYKとの違い、活用方法まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
パントンカラーとは何か?

印刷物の色にこだわりたい方や、ブランドカラーを正確に表現したいと考えている方にとって欠かせないのが「パントンカラー(PANTONE COLOR)」です。
「聞いたことはあるけど、何が違うの?」「CMYKとの違いって?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、パントンカラーの基本的な仕組みや特徴、CMYK印刷との違い、そして印刷物での活用法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
パントンカラーとは?その仕組みと特徴
PANTONEマッチングシステム(PMS)とは
パントンカラーは、アメリカのPANTONE社が開発した「色を番号で管理するカラーマッチングシステム」です。
色見本帳に収録されたすべての色には固有の番号が割り当てられており、世界中どこでも同じ色を再現できる「色の共通言語」として使われています。
なぜ印刷業界で重宝されるのか
・ロゴやブランドカラーなど「絶対に色ブレしてはいけない印刷物」に最適。
・デザイナー・クライアント・印刷所の三者間で共通の色基準を持てるため、やりとりがスムーズ。
・特殊色(蛍光・金・銀)なども再現可能。
CMYKとの違いをわかりやすく解説

CMYK印刷とは
CMYKは、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4色を掛け合わせて色を再現する「プロセスカラー印刷方式」です。
雑誌・チラシ・名刺など多くの印刷物で使用されており、低コストかつ短納期が特徴です。
ただし、色の掛け合わせによって再現するため、微妙な色ブレや印刷ロットによる色差が生じる可能性があります。
パントンカラー(特色印刷)の特徴
一方、パントンカラーは「1色ごとにインクを調合して印刷する方式(特色印刷)」であり、極めて高い色の再現性を誇ります。
例えば、「PANTONE 186 C」というように、指定した番号の色を確実に再現できるため、企業ロゴやブランドイメージを守りたい場合に重宝されます。
また、CMYKでは表現できない金・銀・蛍光色なども使用可能です。
どちらを選ぶべきか?
・コストや納期を重視したい:CMYK
・色の正確性・特別感を重視したい:パントンカラー
※使用目的や予算に応じて使い分けることが重要です。
パントンカラーの使い方と指定方法
印刷時の色指定方法
パントンカラーを使いたい場合は、PANTONE社が発行しているカラーチップ(見本帳)から希望の色番号を選び、印刷会社に伝えるだけです。
例:「PANTONE 3005 C(コート紙用)」などのように、用紙タイプも合わせて指定するのがポイントです。
使用時の注意点
・コート紙・マット紙など、用紙によって同じ色でも発色が変わるため、見本帳は必ず確認。
・色校正(本機校正 or 簡易校正)で、実際の仕上がりを必ずチェックする。
パントンカラーを使うメリット・デメリット

メリット
パントンカラーを使用する最大の利点は、色の再現性に優れている点です。
企業のロゴやブランドカラーなど、絶対に色をぶらしたくない場面では、パントンカラーが真価を発揮します。
印刷所やロットが変わっても、常に同じ色を出力できるため、ブランドイメージの統一が図れます。
また、CMYKでは再現が難しい金・銀・蛍光色などの特色も使用できるため、パッケージやDMに特別感を演出したいときに重宝します。
高級感を求めるブランディング施策にも最適で、「手に取った瞬間の印象」を格上げする力があります。
デメリット
一方で、パントンカラーはコストが高くなりがちです。
CMYK印刷に比べて特色インクが必要なうえ、版の作成費用もかかります。
特に1色ごとに版を作成するため、使用色数が増えるほど印刷コストが上昇します。
また、小ロットやオンデマンド印刷には対応していない場合もあり、注文数が限られている場合には不向きです。
さらに、すべての印刷会社がパントンインクに対応しているわけではないため、依頼先の事前確認も必須です。
こんなときにパントンカラーはおすすめ
ブランドロゴやCIカラーの統一が重要な場合
パントンカラーは、どの印刷所でもほぼ同じ色を再現できるため、企業ロゴやブランドカラーを忠実に表現したいときに最適です。
特に複数拠点で制作物を発注するような大企業や、厳格なブランドガイドラインがある企業には欠かせません。
展示会や販促イベントで注目を集めたいとき
イベントや展示会では、配布物や販促物の色がブレていると、統一感を損ないブランドイメージが低下してしまいます。
パントンカラーを使用すれば、どの制作物にも一貫した色味を持たせることができ、全体のビジュアル完成度が高まります。
高級感やプレミアム感を出したいパッケージ制作時
化粧品、ジュエリー、高級スイーツなど、商品自体に「上質さ」や「特別感」を求める分野では、パントンカラーによる金や銀の表現が効果的です。
箔押しや特色印刷と組み合わせることで、手に取った瞬間の感動を演出できます。
まとめ
パントンカラーは、色の統一性や再現性が求められる印刷物に最適な色指定方法です。
特に企業のブランドカラーやロゴデザイン、販促ツールで「見たままの色を出したい」ときには大きな力を発揮します。
CMYKと使い分けながら、目的に応じて最適なカラー指定を行うことで、印刷物のクオリティと信頼性を格段に向上させることができます。
パントンカラーの仕組みや活用法をしっかり理解し、印刷会社・デザイナーと連携して最適な表現を目指しましょう。
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