オリジナル紙袋は利便性と宣伝効果を両立させる方法として、多くの企業が採用しているアイテムです。
しかし、初めてオリジナル紙袋をデザインしようとする企業の中には、「入稿データの作成方法や素材や印刷方法の違いがわからないから、制作できない」と悩んでいる場合も珍しくありません。
本記事では、初めてオリジナル紙袋を制作する企業に向けて、入稿データ・素材・印刷の基本情報を解説します。
オリジナルデザインの紙袋は「歩く広告」になる

オリジナル紙袋は、受け取った消費者がさまざまな場所に持ち込んでくれる可能性があるため、「歩く広告」としての効果を発揮してくれます。
おしゃれなデザインであれば、SNSで消費者が紹介してくれることもあるので、安いコストで高い宣伝効果を獲得することも可能です。
さらに、紙袋のデザインや雰囲気を企業イメージとマッチさせることで、より消費者に分かりやすく自社の魅力を伝えられます。
オリジナル紙袋を作る手順とは

オリジナル紙袋を作る手順は以下のとおりです。
- 目的と仕様を決める:使用用途(店舗用、展示会用など)に合わせて、サイズ・形状・素材を決定します。
- デザインを作成:ロゴや色、メッセージなど、ブランドイメージに合ったデザインを制作します。AIやPDF形式の入稿用データが必要になることが多いです。
- 見積もり・サンプル確認:業者に仕様と数量を伝え、見積もりを取ります。希望があればサンプル作成で仕上がりをチェックします。
- 発注・製造:デザインと仕様が確定したら正式に発注。製造には通常2〜4週間ほどかかります。
- 納品・検品:成品が納品され次第、不備がないかを確認します。
事前に大まかな手順を知っておくと、スケジュールをより明確に作成できるでしょう。
紙袋をデザインできるツールを一挙紹介

紙袋のデザインを制作するには、デザインソフトを活用する必要があります。
ここでは、紙袋をデザインできるツールを2つ紹介します。
それぞれのツールによって、メリットやデメリットが異なるので、自分のスキルに応じて使い分けるとよいでしょう。
Adobe Illustrator
Adobe Illustratorは、ベクター形式でデザインを作成できるプロ向けのグラフィックソフトです。
高解像度でも劣化せず、紙袋のロゴやレイアウト調整に対応できます。
印刷業者も対応しやすく、細部まで調整可能なメリットがある一方で、操作に慣れるまで時間がかかり、ソフトの導入コストが高いデメリットがあります。
Canva
Canvaは、直感的な操作でデザインが作れるオンラインツールです。
テンプレートや素材が豊富で、デザイン初心者でも手軽に紙袋のイメージを作成できます。
無料プランでも十分活用可能なメリットがある一方で、ベクターデータ(AI形式)での出力ができないため、印刷業者への入稿には不向きな場合があり、最終的な仕上げは他のソフトが必要になる手間が発生するデメリットがあります。
紙袋データを入稿する際の注意点

紙袋のデザインデータを無事に作成できても、商業利用するデザインのルールや印刷の特性を把握していないと、入稿に手間がかかってしまう可能性があります。
ここでは、紙袋データを入稿する際の注意点を4つ解説します。
以下の注意点を把握していないと、思った通りのデザインに仕上がらなかったり、納期に間に合わない事態になってしまう恐れがあります。
入稿データ形式に注意が必要
業者によって入稿データに指定内容が異なるので注意が必要です。
なお、入稿データはAdobe Illustratorの拡張子「.ai」や、Photoshopの拡張子「.psd」で受け付けている業者が多い傾向にあります。
Canvaで作成した場合は、Canvaで作成したデザインを再度Adobe Illustratorで出力しなおす手間がかかるので、Canvaで出力したデータを提出しないように注意しましょう。
著作権には注意が必要
デザインをおしゃれに仕上げるために、フリー素材を活用する場合は、著作権に注意しなければなりません。
フリー素材には「使用料金が無料」と「権利者が著作権を手放している」の2通りの意味があり、誤った解釈でビジネスに使用してしまうと訴えられる可能性があります。
フリー素材を活用する前には、必ず商業利用が可能であるかどうかを確認するとよいでしょう。
特色とフルカラーの違いを把握する
特色は、あらかじめ調合されたインクのことを指します。
特色でデザインを作成すると、既存品のインクで印刷できるので、費用が安くなりやすいです。
一方でシアン、マゼンタ、イエロー、キープレート(黒)を混ぜ合わせて色を再現するフルカラーを使用してしまうと、専用のインクを作る必要があるため、費用が高くなりやすいです。
解像度や画像サイズを確認する
解像度は画像の細かさや鮮明さを表す指標で、通常「dpi(dots per inch/1インチあたりのドット数)」や「ピクセル数(px)」で表されます。
デジタル状のデザインを実物に印刷する際、解像度に注意していないと、線が荒いデザインしか印刷できなくなってしまうので注意が必要です。
紙袋にデザインを印刷する際には、最低でも350dpiが必要になるので、初期設定をしっかりと確認してからデザインを制作し始めましょう。
オリジナルデザインの紙袋に使用できる素材とは

オリジナル紙袋の紙袋に使用できる素材は、以下のとおりです。
素材 | 特徴 |
コート紙 | 印刷適性が高く、発色が鮮やか |
未晒クラフト紙 | 自然な風合いと高い強度を有している |
晒クラフト紙 | 印刷が鮮明に映え、デザインの自由度が高い |
片艶晒クラフト紙 | 白色で印刷映えが良く、片面に高級感を演出できる |
不織布 | 軽量ながら耐久性に優れ、繰り返し使える |
予算とデザインの雰囲気に合わせて、素材を選択するとよいでしょう。
オリジナルデザインの紙袋に使用できる印刷方法とは

オリジナル紙袋の紙袋に使用できる印刷方法は、以下のとおりです。
印刷方法 | 概要 | メリット | デメリット |
グラビア印刷 | シリンダーを使用して印刷する | 単色からフルカラーまで綺麗に印刷できる | 版ズレを起こすことがある |
UVオフセット印刷 | 紫外線を使用し、インクを固めて印刷する | 単色からフルカラーまで綺麗に印刷でき、短期で出荷できる傾向が強い | 大量に用意すると費用が割高になりやすい |
シルク印刷 | メッシュ状の版にインクを塗り印刷する | 小ロットでも安価に出荷できる | フルカラー印刷に対応できない |
フレキソ印刷 | 柔らかくて弾力のある樹脂やゴム製の凸版を使い印刷する | 凹凸のある素材でも綺麗に印刷できる | 小ロット印刷に対応していない |
それぞれの印刷方法にメリット・デメリットが存在するので、ロット数やデザインの雰囲気に合わせて印刷方法を選択するとよいでしょう。
まとめ
本記事では、初めてオリジナル紙袋を制作する企業に向けて、入稿データ・素材・印刷の基本情報を解説しました。
入稿データのお悩みや適する素材・印刷の選定に悩んでいる場合は、専門業者に相談するとプロ目線の提案を役立てられます。
I Love Paper Bagでは、豊富な実務経験から企業のロゴを印刷したオリジナル紙袋にも対応できるので、気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか。