インターネット上の買い物やサブスクリプションサービスが台頭してきていることもあり、段ボールを使用して商品を顧客に直接届ける機会が増加してきています。
そのため、顧客にサービスや商品を印象付ける手段として、段ボールにオリジナルデザインを施す方法が効果的になっているといえるでしょう。
本記事では、そんなオリジナルデザインの段ボールを制作するうえで知っておきたい、段ボールデザインの基礎知識を解説します。
段ボールをデザインするには構造・素材・厚みを把握すべし

段ボールをデザインするには、構造と素材、厚みを決めなければなりません。
それぞれの要素を巧みに組み合わせることによって、高い利便性を発揮できるため、使用者側も利用者側も使用していて好印象を持つ、オリジナルデザインの段ボールを制作できます。
逆に、ニーズとあっていない要素を選択してしまうと、無駄な費用がかかってしまったり、運用に不都合が出てしまう恐れがあるため、構造・素材・厚みは慎重な判断が必要になります。
【デザインする前に知っておきたい】段ボールの構造一覧

段ボールにはさまざまな構造があり、それぞれの特性をきちんと把握しないと、強度や密閉度に不具合が生じてしまいます。
ここでは、デザインする前に把握しておきたい、段ボールの構造一覧を4つ解説します。
片面段ボール
片面段ボールは、波形の中芯に片面だけライナーを貼り付けた構造の段ボールです。
軽量で柔軟性があり、主に商品の緩衝材や巻き付け包装として使用されます。
一般的な段ボール箱のような強度はありませんが、保護材としての役割に優れた素材です。
両面段ボール
両面段ボールは、波形の中芯を内側に挟み、両面にライナーを貼り付けた構造です。
最も一般的な段ボール構造で、適度な強度と軽さを兼ね備えています。
主に商品梱包用の箱や輸送用ケースとして広く使用され、コスト・性能のバランスに優れた素材です。
複両面段ボール
複両面段ボールは、波形の中芯とライナーを交互に重ね、中芯が2層以上になった高強度の段ボールです。
ライナーが3枚、中芯が2枚の「ダブルフルート構造」が一般的で、重い物や壊れやすい商品の梱包・輸送に適しています。
耐圧性・耐久性に優れ、海外輸送や大型商品の梱包にも多く使われます。
複々両面段ボール
複々両面段ボールは、中芯が3層以上で、ライナーと交互に重ねた最も頑丈な構造の段ボールです。
ライナー4枚・中芯3枚の構造が一般的で、非常に高い強度と耐久性を持ちます。
重量物・精密機器・長距離輸送など、特に強度が求められる場面で使用される、最上級の梱包材です。
【デザインする前に知っておきたい】段ボールの素材を一覧

ここでは、段ボールに使用される素材の特性と厚みを一覧で解説します。
中身に何を詰めるかを明確にして、耐久度に問題ない素材を活用するとよいでしょう。
Aフルート(A段)
Aフルート(A段)は、段ボールの中芯の中で最も厚みのある波形構造です。
一般的な厚みは約4.5〜5mmで、クッション性が高く、衝撃吸収に優れています。
壊れやすい物や重量物の梱包に適しており、輸送用段ボールなどで広く使用されます。
しかし、厚みがあるぶん、印刷適性はやや劣ります。
Bフルート(B段)
Bフルート(B段)は、中芯の波形が比較的細かく薄い構造で、一般的な厚みは約2.5〜3mmです。
強度と加工性のバランスに優れ、印刷適性が高いため、商品パッケージや美粧段ボールによく使われます。
Aフルートよりクッション性は劣りますが、表面が滑らかで見た目が美しい特徴があります。
Cフルート(C段)
Cフルート(C段)は、中芯の波形がAフルートとBフルートの中間にあたる構造で、厚みは約3.5〜4mmです。
Aより薄く、Bより厚いため、適度な強度とクッション性を兼ね備えています。
輸送用や一般的な梱包材として多く使用され、汎用性が高い素材です。
印刷適性・耐衝撃性ともにバランスが良く、使い勝手に優れています。
Eフルート(E段)
Eフルート(E段)は、非常に細かい波形構造を持つ段ボールで、厚みは約1.5〜2mmと薄型です。
見た目が美しく、印刷適性が高いため、美粧性が求められる商品パッケージやギフト箱によく使われます。
クッション性はやや劣るものの、軽量で扱いやすく、省スペース性にも優れている強みがあります。
Fフルート(F段)
Fフルート(F段)は、非常に細かい波形を持つ段ボール素材で、厚みは約1mm前後とフルートの中で最も薄い部類に入ります。
繊細で美しい印刷が可能なため、高級感のあるパッケージや化粧品箱、贈答品包装に最適です。
クッション性は低めですが、軽量で省スペース性に優れており、デザイン性重視の用途に多く用いられます。
Gフルート(G段)
Gフルート(G段)は、フルートの中でも最も細かく薄い波形を持つ段ボール素材で、厚みは約0.5〜0.8mmと非常に薄型です。
印刷適性が高く、紙箱のような仕上がりが求められる高級パッケージや販促用箱などに使用されます。
クッション性はほとんどありませんが、見た目の美しさと省スペース性に優れた素材です。
Wフルート(W段)
Wフルート(W段)は、異なる2種類のフルート(例:Aフルート+Bフルート)を組み合わせた二重構造の段ボールで、厚みは約6〜7mmになります。
強度・耐圧性・クッション性に優れており、重量物や壊れやすい商品の梱包、輸出用包装などに最適です。
丈夫な反面、かさばりやすく、印刷にはあまり向いていません。
2層AA段
2層AA段は、Aフルートを2層重ねた段ボール構造で、厚みは約9〜10mmにもなり、非常に高い強度とクッション性を持ちます。
重ねた2枚のAフルートが、衝撃や圧力に強く、重量物の輸送や長距離配送、精密機器の梱包などに適しています。
ただし厚みがある分、かさばりやすく印刷には不向きです。
3層AAA段
3層AAA段は、Aフルートを3層重ねた構造で、段ボールの中で最も厚く、厚みは約13〜15mmにもなります。
極めて高い強度とクッション性を持ち、大型・超重量物や精密機器、長距離輸送用の梱包に最適です。
耐久性に優れる一方で、重量・コスト・かさばりやすさがデメリットとなり、使用シーンは限られます。
まとめ
本記事では、オリジナルデザインの段ボールを制作するうえで知っておきたい、段ボールデザインの基礎知識を解説しました。
オリジナルデザインの段ボールは高いデザインはもちろん、使い勝手の良さも重要になります。
運搬したいものによって、最適な構造・素材・厚みは異なるので、本記事を参考に特性を理解するとよいでしょう。
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